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IT業界で働き始めて数年たつと、プロジェクトマネージャー(プロマネ)の仕事をしてみないか?と打診されることがあります。
わたしは最初、責任が重くなるのがいやで断っていました。でもいまは、プロマネを経験してよかったと思います。
IT業界で学んだプロマネのノウハウが、異業種に転職したわたしの信頼度を高めました。いまでは入社わずか3年で、40年の歴史を持つ会社の経営に関わっているのですから・・。
入社わずか3年で社長に信頼にされたプロマネノウハウ
IT業界出身のわたしが、他業種に転職したきっかけは、リーマンショックが原因でした。当時、フリーランスとして活動していたのですが、リーマンショックの影響でIT関連の仕事がなくなってしまったのです。
プロマネノウハウ実践 序章
ある方から、できたばかりの出版社を紹介してもらい、ホームページから販売システムなど事務全般の仕事を担当することになりました。わずか数名の小さな会社ですから、やらなければいけないことは山積みでした。どこから手をつければいいのか・・。
マネジメントの世界では、まず計画を立てることから始まります。なので、課題(販売、経理、HPなど)を整理し、優先度と人材確保、作業計画を立案し実行しました。作業者は、社長を除く2名しかいないのですが・・。
紆余曲折ありましたが都度対策することで、予定通りに作業は終了しました。他業種(出版)でも、IT業界で学んだマネジメントが応用できたのです。「プロマネのノウハウってすごい!」と感じました。
じつは、この出版社の経験は序章でしかありませんでした。
プロマネノウハウ実践 第1章
3年で出版社の役員を退任し、縁あって小さな物流会社に転職しました。
1.転職先に自分をセルフマネジメント
やんちゃなお兄さんが多い会社で、仕事の基本が「その日暮らし」だったのです。システム担当者も1名いたのですが、外注に依頼していた自社システムが、2年たっても正式稼働しない状態でした。
「わたしがシステムつくろうか?」
出版社時代から役員退任時期を想定して、自分の「転職プロジェクトをマネジメント」していたわけです。
2.自社システムの開発にリスクマネジメント
物流会社に入社を果たしたわたしは、システム部の責任者「課長」の下に「平社員」として配属されました。
課長に、システムが正式稼働していない理由はを聞くと「外注がシステムを正しくつくれない」「バグが多い」と、外注への不満がだらだら・・。外注先の社長に話を聞くと「御社の要件がはっきりしない」「追加費用が必要だ」などなど・・。
このままでは正式稼働しないと判断し、システム料金の支払いを4年分残したまま(4年間支払い続けました)自社開発することに決定!
課長と平社員(わたし)で、「2人で作り直そうね」と約束しましたが、結局「課長」は1本のプログラムも完成させることができないまま離脱(逃亡)してしまいました。
予想通りの展開でした・・。
プロマネをしていた経験から、課長の性格を見抜いていた(逃亡するだろうな)わたしは、1人になってもシステムが完成できるよう、リスクマネジメントをしていました。ですが、さすがに予定通りとはいかなかったのですが、2ヵ月遅れで稼働することができました。
おもしろいことに、システムが完成したら「課長」は元気になって戻ってきました。いるんです、そういう輩(やから)・・。
3.システム部員採用マネジメント
課長は戻ってきましたが、新システムの運用と保守を任せる人材が必要だと判断しました。保守運用を戻ってきた課長に任せたのですが、ふたたび離脱(逃亡)する可能性が否定できなかったからです。(わたしは外部の受託開発が本業なので・・)
けれど、社長に採用のための予算を申請すると「募集してもいいけど採用予算はだせない」と通りません。しかも「給料は・・・円までね」と、IT業界の平均よりかなり薄給。
「これは無理かな?」と思ったけれども、できる限りの好条件を提示してハローワークで募集した結果。
信じられないくらい優秀な人材が採用できたのです!
ITベンダーで勤めていた主婦なのですが、経験が豊富で理解度も早く、入社してすぐに運用&保守を一任できたのです。今では、事務作業もこなしてくれ、社長の信認も厚く、彼女がいないと困るほど・・。
4.新事務所開設のマネジメント
新システム稼働の1年後、新しい物流倉庫が稼働しました。
その事務責任者として「課長」が配属されたのですが・・・。なんと担当していた出荷伝票を半月貯めこんでいたことが発覚してしまいました。「忙しくて出荷登録できなかった」のが理由だそうです。調べてみると、出荷伝票がある時期から、山積みされているだけで、1枚も処理されていないのですけど・・・。
事故発覚後、事情説明と対応計画を実施し対応に着手したのですが、その数日後「課長」は・・・・・。その後半年間、姿をみせず、自分の荷物も残したまま退職してしまいました。
結局、新事務所の開設はわたしのマネジメントに任され、遅延事故の対応と事務パートの新規募集。新事務所の運用ルールと教育など、順番に課題を解決し、半年後に本社に戻ることができました。
新事務所の社員も、わたしが永遠に事務責任者として残ると思い込んでいたようです。その誤解を解くのが、一番の大仕事でしたけれども・・。
プロマネノウハウ実践 第2章(準備中)
そして今、第2章の準備を進めています。
2年前から、複業でノウハウを蓄積しつつ、
今年は、会社設立初めての新入社員を採用し、懐刀として教育しつつ・・・。
プロマネノウハウ実践 第2章 に向けて、着々と準備している段階です!
プロマネに資格は必要か?
プロマネは勉強して資格をとればプロマネになれると勘違いしている輩は多いのですが、ハッキリ言って資格は必要ありません!
資格はいらないといっても、転職や独立した場合に有利なのは間違いありません。なので取得することは否定しませんが、資格取得が目的ではなく、応用できる能力(=生き延びる能力)を身につけることのほうが大事です。
プロジェクトを進めていくと、さまざまな問題・課題が発生します。
・人が足りない
・納期に間に合わない
・賠償問題になりそうだ
・会社辞めるんだって
・ケンカして泣いている
・パワハラだ!セクハラだ!
・クレームがきた
困ったことに、問題・課題の解決方法はさまざまで、マニュアル通りにはいきません。以前経験したからといって、同じ解決策が通用するとも限りません。
なので、資格を持っていても、問題・課題解決には、なんの役にもたたないことが多いのです。
けれど、PMBOK(ピンボック)「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」を学ぶことは必要だと思います。PMBOKをマスターすれば、全て解決するものではありません。あくまで知識を体系だてて、整理しておくという意味です。
PMBOKガイドは、国際的に標準とされているプロジェクトマネジメントの知識体系(ガイド、手法、メソドロジー、ベストプラクティス)であり、建設、製造、ソフトウェア開発などを含む幅広いプロジェクトに適用できるプロジェクトマネジメントの基盤を提供する。(Wikipediaより)
最終的には、その場その場で柔軟な対応能力が求められるので、人間力を高めておかないといけないでしょうね。人間力は、どんな仕事をしていても求められるものなので、仕事以外のコミュニティに参加するのもいいですね。
PMBOKを学ぶ方法としておもしろそうなコースを見つけました⇒海の家プロジェクトコース Eラーニング
海の家をたてながらPMBOKを学ぼうというコースなので、普段経験したことのないプロジェクトでマネジメントを楽しく学べるのではないでしょうか。IT業界以外でもマネジメントは応用できるというよいシミュレーションになりますよね。
まとめ:必要なのはマネジメント
どの業界でも通用するマネジメント能力は、経験しないとマスターできません。ですが、30代~40代にならないとリーダークラスになれないような業界だと、社会人人生の半分が終わってしまいます。そんなに待っていられません。
わたしは25歳からリーダーを経験していたので、半端ない応用力を身につけることができました。応用力とは、トラブルが発生したときの対応力・成功例のことです。成功例を経験していれば、自信をもって発言することができます。その自信ある発言が、社長に安心感を与えたのだと思っています。
つまり、経営者も経験がないことは自信がないので、さまざまな経験を積んできた人の意見を信頼するようになるということです。
経営者に影響を与えることができるマネジメント能力を、いち早く身につけられる業界はIT業界しかありません。
あなたは、どの業界に移っても一生困らない武器(マネジメント能力)を持ってみたいと思いませんか?
マネジメント能力を高めたいなら、IT業界で働こう! → ITエンジニアのキャリアプランはこれだ!人生は計画的に。
IT業界には、いろんな人の夢が集まっています。
いろんな人が、いろんな場所で、自分の夢をかなえるためにがんばっています。
IT業界は、コネや才能・お金がなくても、夢をかなえることができる職業です。