ベンチャー企業を退職した理由~夢を追いかけた5年間~

大企業からベンチャー企業へ転職して3年目。

東京支店の立ち上げ、大阪本社の移転と、会社も順調に成長していました。

ところがある日のこと、

給料が入ってない!?

25日の給料日の朝、銀行に行くと残高が増えていません。

「えっ まさか」

とは思ったのですが、そこは小さな会社です。

社長の奥さんが、給料日に手作業で入金しているので、振込が遅れているのかもしれません。

急がすのも申し訳ないので、翌日確認することにしました。

翌日。

ご想像の通りです。残高が増えていません。社長からの連絡は、何もありません。

「わたしだけか? 振込先を間違ったのか?」

部下に給料の振込がされているか確認すると、やはり入金されていませんでした。

給料がない!理由

わたしも部下も給料が振り込まれていないことがわかったのですが、本社からの連絡はありません。

「まさか! 夜逃げ? やばぃかも・・・」

おそるおそる、本社に電話したのです。

社員「はい XXX会社です」
(まずは、会社は存在しているようです)

わたし「東京のたくたくですが、社長いる」
社員「おつかれさまです~ 少々お待ちください」
(電話口で、給料のことどう切りだそうかと、ドキドキ・・)

社長「おぅ たくたくか、おつかれさま。なに?どうした?」
(なにって、それだけ?)

わたし「社長、給料が振り込まれてないようですが・・・」
社長「あぁ給料ね。XX会社からの入金が月末にあるんで、月末振り込むよ」

わたし「あ、はい、わかりました」(ガチャ)

あまりのできごとに、声がでませんでした。

とにかく、初めての給料遅配でしたが、月末に無事入金されました。

初めての給料遅配?

そうなんです、その2ヶ月後に2回目の給料遅配があったのです。

遅配の連絡は・・ 当然?ありませんでした。

ベンチャー企業なので、資金繰りに困ることはあるし、給料遅配もあることは覚悟していました。

ですが、まさかのできごとでした。

給料が遅れるなら連絡しない?
給料払えなかったら、まずゴメンでしょ!

大丈夫か?この社長!?

社長命令!東京閉店大阪戻れ!

東京支店は、関東方面の営業窓口として開設しましたが、2年目になって東京支店独自の仕事も増えてきました。

さぁ、これからだ!

と思っていた矢先、社長から大阪本社の応援要請が入りました。

給料遅配の原因は、本社のシステム開発でトラブルが発生し、予定した売上が立たなかったことが原因でした。

「トラブルの原因を探して、早期解決するように」というミッションです。

翌日、残ったメンバーに東京を任せて問題プロジェクトに参加しました。

約2ヶ月後、本社の開発トラブルは沈静化し、東京に戻れると安堵しました。ながかった~。

社長に終了報告と、東京に戻る挨拶をしたところ、

「やっぱ、たくたく必要だから、東京支店しめて大阪に戻って」

わたしを必要だと言ってもらったのは嬉しいですが、問題山積みです。

東京で1年半かかってつくってきた顧客はどうする。
今東京で開発中のプロジェクトはどうする。
東京で採用した事務員はクビにするの?

それより、なにより、わたしの気持ちが納得していなかった。

東京支店を開設することが決まった日、
「成功するまで、大阪には帰らない」
と両親に決意を語り、長男なのに家を出ることを認めてもらったんです。

まだ、東京で、なにもできていない のに 帰るの?

ベンチャー5年 残留か?転職か?

いろいろと問題のある会社でしたが、営業力があるので細々と生きのびる会社なのは間違いないと確信していました。

※その会社は25周年を迎え、当時の社長は会長になったそうです。

社長の指示通り大阪に戻って残留するか、退職して東京で新たな夢を追いかけるか。

入社した当初、社長とパソコンの未来を熱く語っていたのを思い出しまました。

そういえば、最近は資金繰りのことしか話さない・・・。楽しくなくなった・・・。

夢を追いかけた日々 5年間ありがとう

ベンチャーに転職したのは、仲間とともに夢を追いかけられると思ったからです。

でも、5年もたつと夢より現実。売上や利益ばかり気にするようになっていました。

給料の遅延や、海外研修、東京支社設立と、良いことも悪いことも経験させてもらえました。

でも、「ベンチャーは社長の夢をかなえるところ」なんです。

社長の夢は「わたしの夢とは違う」と気づいてしまったんです。

大企業で学んだこと ベンチャーで学んだこと

大企業で9年間、ベンチャーで5年間勤務した経験は、いまでも役にたってます。

大企業とベンチャーの社員を比喩して、「大企業は会社の歯車。ベンチャーは社長の奴隷」という人がいます。

その発言って、労働者・サラリーマンらの、雇用者側の発想ですよ。

ある人が、夢を実現するために創った会社が、ベンチャーで。
ベンチャーが、大きくなって、大企業とよばれるようになっただけ。

ソニーもホンダもアップルも、楽天・ソフトバンクやマイクロソフトもGoogleも、みーんなむかしはベンチャーでした。

大企業か、ベンチャーかで迷うのは消耗するだけで意味がないです。
そんなことより、やりたいことができる会社かどうかで決めればいいんですよ。

短い社会人生活なんだから、夢を追いかけ、好きな道を進もうよ!

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