キンコン西野が絵本ビジネス成功の理由を語った CybozuDay2017。

サイボウズが毎年開催しているイベント「Cybozu Days 2017」の基調講演に、お笑い芸人キングコングで絵本作家の西野亮廣(にしのあきひろ)氏がゲスト登壇しました。

圧倒的指示を受けているカリスマ「キンコン西野」が、ネクタイを締めたサラリーマンの前でなにをはなすかワクワクしながら聞きました。その一部始終を公開します。

サイボウズはIT業界の風雲児

サイボウズは、グループウェアというソフトウェアで大きく成長したIT企業ですが、「副業OK」や「再雇用」などの制度が話題になり変わった会社としてビジネスニュースにも度々取り上げられる会社です。

社長から率先して「育児休暇」を取得したり、政府の働き方改革に反対する「働き方改革に関するお詫び」広告をだすなど、とってもユニーク(?)な会社なのです。

そんなユニークな会社サイボウズは、毎年プライベートイベントを開催し、大物ゲストが登壇するので有名です。わたしも毎年楽しみにしています。

難しいことを分かりやすく説明してくれる池上彰さんですが、むかしは新聞記者だったのです。毎年秋に開催される、イベント『サイボウズカンファレンス』で...
以前、星野リゾートの社長「星野佳路」氏の講演を聞いたことがあります。老舗の2代目社長という立場でありながら、次々と旅館やホテルの経営を成功させ、...

2017年11月9日。幕張メッセで行われた「Cybozu Days 2017」。今年は「壁を超える」という風雲児らしいテーマを掲げていました。

お笑い芸人が、ビジネスイベントに出演!?

キンコン西野といえば、ホリエモンに次いて若者にお笑い芸人でありながら、30万部を突破した絵本「えんとつ町のプペル」で一躍有名作家に仲間入りし、若者に圧倒的指示を受けるカリスマです。

近著「革命のファンファーレ」も10万部を突破(2017年10月10日時点)しています。

ホリエモン若者IT業界の風雲児青野社長と、お笑い界の革命児キンコン西野の対談が実現するのですが、まわりを見渡すとスーツ姿のビジネスマンばかりです。

すっごく違和感を感じていたのですが、西野氏の語る内容はビジネスモデルの話が中心でした。

「お笑いもビジネス。お笑い芸人バカにするな!」

そんなバカにするなオーラが西野氏から発散されていたのです。

写真撮影OK!キンコン西野氏との対談始まる

米米クラブの浪漫飛行フルコーラス後、サイボウズ青野社長のオープニング挨拶。

サイボウズは今年20周年を迎え、働き方改革を勧めるアニメ「アリキリ」を作りました

という、わけの分からない挨拶の後、キンコン西野氏が登壇しました。

絵本を作るようになったキッカケ

絵本「えんとつ町のプペル」は、33万部を突破したと発表がありました。わたしも絵本業界で努めていましたが、5千部~1万部で大ヒットと言われる絵本業界で、33万部は驚異的な数字です。

なぜ、絵本を描こうと思ったのか? その理由を語ってくれました。


深夜番組「はねるのトびら」に出演し、番組がゴールデンに進出することでスターになると信じていたのですが、スターにはなれなかったんです。

たけし・さんま・ダウンタウン・ナインティナインなどの先輩のようなスターを想像していたのに、なれていない自分を見て「才能がないんだ」と思いました。

なので25歳になった時、テレビに出るのをやめたんです。「自分で自分のレールを引くしかない」と感じたんです。

その時、タモリさんに呼ばれて、「おまえ絵を書けよ」と言われたのがスタートでした。

プロ絵本作家に勝つ方法を考えた

西野氏は「プペル」の前に3冊の絵本を描いていますが、その3冊は全部ひとりで描いていました。その絵本を描いているうちに、「これでは絵本作家・プロの作家に勝てない」と思ったそうです。


絵本を描くにあたって決めた最低のラインは、プロの絵本作家に勝てるようなクオリティでした。

でも、まともに勝負してもプロの絵本作家には勝てない。どこでプロに勝てるのかと考えたところ気がついたのです。

プロは仕事なので、食うために描いている。食っていくには、早く描かないと食えない。

だけど、僕は副業なので3年かかるような仕事をしても大丈夫。

これなら、勝てると思ったんです。

読み聞かせにかかる時間は、普通の絵本だと5分くらいで終わります。でも「えんとつ町のプペル」は30分くらいかかるんです。

(補足)
西野氏が言うとおり、プロの作家が、たったひとりで30分の読み聞かせができる絵本を描くとなると、食べていくことはできません。

だから、こんな絵本をつくるプロ絵本作家は、西野氏以外にはでてこないでしょうね。

非常識!絵本を分業制で作った理由

絵本は絵本作家がひとりで作るものだと決まっています。分業になる場合でもなくはないですが、せいぜい文・絵を分担するくらいです。


3冊の絵本を自分ひとりで描いてみたのですが、「映画とかはチームで作るのに、なぜ絵本はひとりで作らないといけないのか?」と思ったんです。

なので、みんなで絵本でもやってみようと思いついたんです。

けれど、誰もやっていないのはなにか理由があるはずです。だからその理由を考えてみました。

  • 絵本は5千部~1万部売れれば大ヒットの世界。
  • 売れる部数が少ないので、制作費がない。
  • だからひとりで作るしかない。

つまり、制作費がないからひとりで描くしかないのです。

お金がないので分業ができないなら、資金調達さえしてしまえば、分業ができるはずと考えました。

で、クラウドファンディングでお金を集めようと思ったわけです。

(補足)
西野氏が考えたとおり、絵本は売れないというのが絵本業界の常識です。

絵本作家はひとりで描くのですが、ただ理由はそれ以外にもあります。絵本作家は自分の世界があるので、他人との共同作業を嫌がるのです。

クラウドファンディングで1億円!?

目標180万に対して、クラウドファンディングで集めた資金はご存知ですか?

これ以外にも何度かクラウドファンディングを実施し、総額1億円超える資金を集めたと語っています。(2017年7月17日 LINE LIVEにて)

絵本の制作費としてはとんでもない資金です。しかも絵本の制作に関わるクリエーターが35人もいるなど、ありえないことで、絵本業界に革命をおこしたと言われるはずです。

勝負は、競争した時点で負けです。人に勝とうと思ったら、競争してはだめなんです。

自分でオリジナルの競技をつくって、この競技に人を集めれば勝てます。自分が1番得意な競技なら勝てるに決まっています(笑)

ネットで無料公開したのに売上が伸びる理由

ネットで絵本「えんとつ町のプペル」が無料で読めると売れなくなると考える人がいたようですが、その発想は雑誌やコミックなら正解ですが、絵本業界では間違いなのです。


11月に発売して1月になると、20万部くらいで売上が止まってしまいました。そこで、次の手を考えたわけです。

無料公開したら、売上があがるな」・・と。

で、無料公開したら、メチャクチャ炎上しちゃったんです。でも、結果としては売上が伸びました(笑)

公開したら売れると思った理由は絵本だからなんです。

絵本は親がこどもに読み聞かせるもので、情報価値と物質価値は違うと考えました。

「スマホで絵本の読み聞かせはしないはず」だと。

例えば、テレビでグルメレポーターがいくら説明したとしても、食べたくなりますよね。グルメレポートは情報価値で、料理は物質価値なんです。

グルメレポートをみたら、食べに行くでしょ?絵本も同じですよ。

絵本は高価。立ち読みして「あたり絵本」を買うんです。

ぼくは37歳だけど、まわりの母親に聞くとお金がないお母さんが多いんです。なので、2000円の絵本というのは高い買い物です。

高価な買い物は失敗できないじゃないですか。だから母親は、全部読んで納得しないと買わないんです。本屋さんで立ち読みしてから買うんです。

絵本は、あたりしか買わないから、昔の名作絵本がいまだに売れるんです。

本屋で立ち読みする時間がなくて、「あたり絵本」が見つけられないから、子どもの頃に読んだ「あたり絵本」を買うんです。

だから、絵本をネットに公開して、全部読ませてあげて、「あたり絵本」だとわかれば買ってくれるんです。

大ヒット中の絵本『えんとつ町のプペル』を全ページ無料公開します(キンコン西野)

(補足)
このおはなしは、絵本業界で働いていたからよくわかります。

絵本は、20年・30年前の古い絵本がいまだに売れ続ける世界です。母から子、子から孫へと、同じ絵本がずーと売れ続けるという奇妙な業界です。

その理屈は、絵本業界にいる人達はみんな理解しているはずです。西野氏が、絵本業界の内情を理解していることは驚きましたが、それを利用して大ヒット絵本を作りあげたことは奇跡です。

炎上して「日本ヤベェ」と思った

炎上するのをびびってる人は、燃えている回数が少ないんだと思います。ぼく週3か週4で炎上するので、慣れてしまってなんとも思わない。

これをやったらどうなるかと友達と話をしたうえで公開しているのですが、大体想定の批判がくるので慌てない。ほとんど想定内なんです(笑)

  • クラウドファンディングで資金調達したら「人の金でなく自分の金でしろよ」と、炎上
  • 無料で絵本を公開したら「有料の本をなんで無料で公開すんだよ」と、炎上

なんで、クラウドファンディングで資金調達するのが悪いのか?

なんで、無料公開すると売上げがあがるという感覚がわからないのか?

これらの炎上をみて、日本の遅れっぷりがヤベェ思ったので、全部公開しようと思ったのが、ビジネス書「革命のファンファーレ ?現代のお金と広告戦略?」を出版した理由です。

打倒!ディズニー

2019年「えんとつ町のプペル」が映画公開します。

元々映画にしようとして作った絵本でしたから、絵本の無料公開は、映画の宣伝になるので広まった方がいいと考えていました。

実は、ディズニーを倒そうと考えているのです。

どうすればディズニーに勝てるか?

やっぱ、映画ですよね。ディズニーに勝つには映画しかないと思っています。社長には止められているのですが、公開はディズニーアニメにぶつけるつもりです。

実は、ディズニー映画の弱点を発見したのです。ディズニー映画はジャングル系が弱いので、ジャングル系映画公開時期にぶつけるつもりなんです(笑)

本屋で売る気はなかった!

「えんとつ町のプペル」は、日本語の下に英語が書かれています。この理由を聞いたところ、意外な答えが帰ってきました。

英語を入れた理由のひとつは、教科書にしようと思ったんです。

日本語と英語の両方を書いていれば、英語の教科書になります。教科書になれば、本ってうれると思ったんです。

もうひとつの理由は、出版社や書店で売ろうと思わなかったんです。

新しい本がでると、最初は本屋さんに積まれていますが、そのうち棚に1冊さされて、数ヶ月すると本屋さんからなくなるんです。つまり、本には賞味期限があるんですよ。

野菜じゃないのに、賞味期限があるなんておかしくないですか?

わたしは、国内や海外で個展をしているので、個展で売ろうと思ったんです。英語で書いていると海外でも売れますよね。

個展にきたお客さんが、インスタにあげてくれて、それを見た人が個展会場に足を運んで、絵本を買ってくれる。そうすれば、5年でも10年でもずーっと売れるじゃないですか。

個展を主体に販売すれば、ずーっと売り続けられるんです。

(補足)
書店は売れる本は置きますが、売れなくなるとすぐに置いてくれなくなります。毎日大量に新しい本が発売されるので、置く場所がなくなってしまうんですね。

だから、出版社からするとずーっと置いてもらえるように、書店にお願い営業し続けないといけないのですが、小さな出版社だと負担が大きくて無理なのです。

ビジネスマンへメッセージ

最後に、青野社長からビジネスマンに向けたメッセージを求められた西野氏は、

肩書きを捨てた方がいい。肩書きもっているとやべぇ!

と間髪入れずに言い切りました。なぜなら、

年齢を重ねると「最近の若い奴は!」て言いますが、古代エジプトの壁画にも描かれていたんです。

古代から若者はダメだと言われていたのですが、悪くなるところが若い世代が文明を進化させてきたんです。人類は破滅していないんです。

若者は、先代の知恵を学びバージョンアップし続けているんです。年下のほうが優秀なので、わたしもしていますが若者の意見を聞くようにしてください。

最近の若者は、高級車に乗りたがらないとか、草食系だといいますが、物があふれた時代に生きているので当然です。若者の話を聞くと、物欲はなく「これから世界を平和にするにはどうすればいいか?」というようなことに興味を持っています。

肩書をすてて、軸足をおかずに、自由になるのが良いと思います。

サイボウズという会社は、オープンで、副業OKだとか。若い人の待ち合わせ場所になっているのが、いいなと思いますよ(笑)

イベント終了後、「女子がいねぇ」とブツクサ言っているキンコン西野のブログ(笑)

壁を超えた!キンコン西野

青野社長が、西野氏に「壁を超える人は考え方がちがうね」と言っていたのが印象的でした。よく考えていて、発想がまるでビジネスマンなんです。

ビジネスを考えることについて西野氏は「考えることは好きです。遊び感覚ですがら」と言っています。遊び、好きだからいろいろな発想ができるんだそうです。

人は、好きになれば進化・進歩できるんです!

だから、あなたもしごとづきになりましょう!

ただ、西野氏が発想したことはそんなに価値はありません。絵本業界では常識となっていることばかりですから・・。西野氏がすごいのは、行動したことなんですね。

考えて、行動して、成功したから注目されているんです。

行動という「壁」を超えたことがすごいんです。

今回の対談に参加して、西野亮廣という人物の考え方に共感してしまいました。年下ですけどね(笑)

さっそくアマゾンで、西野氏の書いたビジネス本「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」をポッチと注文してみたわたしです。あなたもポチって、一緒に革命おこしましょう!

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