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以前、星野リゾートの社長「星野佳路」氏の講演を聞いたことがあります。老舗の2代目社長という立場でありながら、次々と旅館やホテルの経営を成功させ、リゾート界の風雲児としてその名を知られるようになりました。
星野リゾートの成功の秘訣は、ひとりで仕事をするフリーランスの未来にも通じるものがありそうです。
星野リゾート社長の講演会
星野リゾート代表「星野佳路」氏の講演を聞いたのは、2015年のサイボウズプライベートカンファレンスでした。
100年前に創業した長野県軽井沢の星野旅館は、旅館やリゾートホテルの経営再建を次々と成功させています。その成長の秘密は、星野社長が考え、実行している組織論でした。
同じ日に聞いた池上彰氏の講演↓
星野リゾートの組織論
星野氏が語る組織論は「とにかくフラットで何でも言い合える組織にする」ということだそうです。
「役職者は、決定権があるだけであり、偉いのではない」
役職者の権利は、メンバーの意見を聞き、言いたいことを言わせ、最終的に「決定する権利」がある。
この考えに至ったのは、現場のことは現場が一番理解しているという認識からだそうです。
というのは、旅館業は、接客のプロ意識が強く「マネージメントより接客をしたい」という人材が多いそうです。
つまり「お客様を喜ばせるにはどうすれば良いか」という問題意識を持っている人材が多くいて、改善提案を自由に発想させ、自ら改善していくのが良いと考えているようです。
酒宴の席は無礼講?
星野氏は、「酒宴でここは無礼講だから、ということ自体が無礼だと思う」という面白い発言をされていました。
とにかく、言いたいことを言わせ、徹底的に討論させ、自分たちで決定させる。
このことにより、たとえ失敗しても「自分たちが決めたのだから改善しなければ」という、修復機能が働くということだそうです。
ただし、現場に任せていると言っても、星野氏も現場に口出しはするようです。
代表として意見を言っても、現場が「する。したい。させてくれ」というのであれば、「責任持つなら、いいよ」と許可するそうです。
これも、言いたいことを言う風土を作るのそうです。
「任せて任せず」の意味
この発言を聞いていたサイボウズの青野社長が、松下幸之助氏の名言「任せて任せず」を引き合いにだしました。
青野社長は、松下電工出身だそうですが、この名言に「意味わからないですよね」とおどけていました。
「フラット」とか「平等」という言葉は、「責任を持つ」ということも含まれていると思います。
現場に「責任を持たせる、フラットな組織にすること」を星野氏は目指しています。
フラットな組織にすることが、従業員のやる気を引き出し、良い接客サービスに繋がり、ひいては組織が成長することになるはずです。
フリーランスの組織論
フリーランスは、基本的にひとりで仕事をしています。なので、組織論は関係ないと思われがちですが本当にそうでしょうか?
- フリーランスは、クライアントから仕事をもらわないといけません。そのためには、クライアントの信頼を得る必要があります。
- 新しい仕事をするには、いろんな人と交流し、新しい仕事を紹介してもらわないといけません。
- ひとりで仕事をしていても、自分では解決できない問題が発生することがあります。できない仕事は、だれかにお願いして分担してもらう必要があります。
つまり、フリーランスといえども、ひとりで仕事をしているわけではありません。
仕事とは、人と人とのつながりで成り立っています。
良いことも、悪いことも、なんでも遠慮なく言いあえる仲間、協力しあえる仲間がいないと仕事はできないのです。
星野社長が言う「フラットな組織」は、フリーランスにも必要なのです。
フラットな関係がフリーランスの未来をつくる
星野リゾートが実践している「フラットな組織」は、ビジネス全般に通じるものです。
会社組織は当然ですが、人と人との繋がりが大切なフリーランスという仕事にも必要なのです。
フラットな組織がどういうものか、星野リゾートが経営するホテルに泊まって学んでみてはいかがでしょうか?