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わたしの部下の旦那さんが、精神を病んで休職6ヶ月を越えました。年収750万円で復職を目指しているとのことでしたが、年収が下がってもわたしの会社に入りたいと連絡がありました。なぜ年収が下がってもいいのか、その理由を聞いてみみました。
750万より身体が大事
まさか、高年収を捨ててまで入社してくれているとは思わなかったので、メチャクチャ嬉しいのです。IT経験者なら、間違いなく頼りになるじゃないですか。
以前、部下の旦那さんに会ったときの話↓
高収入を捨てる決心がついたのは、復職してもまた再発する可能性が高いと思ったからだそうです。そりゃそうです、話を聞くとデスマーチ行進し続けているそうですから・・。
入社の手配に入ったところ、先日同じような病状で退職者がでたこともあり、社長が入社させるのを渋りました。社長の気持もわからなくはないのですが、こんなチャンスは滅多にないので、社長対応策を練らないと!
出社拒否になった理由と病状
まだ詳しい病状と経緯を聞いていなかったので、再度話しを聞きにいいきました。社長を説得するには、正確な情報が欲しいのです。
病状は?
病状を聞くと、自律神経失調症・不安症という病気だったそうです。当初は薬を飲んでいたのですが、今はもう飲まなくてもよくなったということでした。
病院からも出社しても大丈夫だということなのですが、元の会社に復帰するのが困難なようすでした。
自律神経失調症にかかる半数の人は、ストレスが原因とされています。SIerで働いていた時代、この病気になった人は山ほど見てきました。ですが、みなさん社会復帰して普通に仕事しています。
ウソ資料作成が仕事だった?
彼はプロジェクトリーダー(PL)として、上長に進捗報告をすることが役割だったそうです。
システム開発の進捗報告って「順調です」とか、「スケジュール通りです」とか、良いことばかり書きますが、実態は・・違います。ウソばっかりです。
彼はまじめなので、正確な報告をい上司にしたところ、「ダメだよこれ」と、差し戻されたそうです。理由は、
「お客さんに報告できない」
からだそうです。体裁の良い、ウソの報告を書くように指示されたのです。結局、内向けと外向けの報告書を作成するのが仕事になりました。
人格が崩壊するはずだわ・・
エンジニアは、システムを作るのが本業のはずですが、彼の仕事は、マネージメントという名の報告書作成でした。
しかも、ホントの報告とウソの報告を、同時に書かされる日々だったそうです。
ウソをつくのが毎日の仕事だと!? そりゃ人格も崩壊しますよ。
エンジニアなんだから「手を動かしたいと、毎日妻に言っていたんです」と、彼は言いました。
入社させない理由はなくなった
優秀なエンジニアは引く手あまたで、物流会社の一部門に安月給で入社してくれるエンジニアなど、まず見つかりません。
- 豊富な経験を積んできたSE
- 開発したくてウズウズしてる
- 大手SIベンダー経験者
- 仕事は長く続けたい
こんなエンジニアが、年収750万を捨てて安月給で働きたいと言っているのですから、入社させない理由はないです。技術も人間性も、問題ありません。
もう、入社させない理由はなくなりました。あとは、社長を説得するだけです。
社長を説得!
社長には事前に上長から説明してもらっていたので、話しはじめはスムーズでしたが、予想通り病気のことを心配していました。
実は、今年退職した3人のうちのひとりは、うつ病を発症したのを承知で採用したのですが、結局5年の在籍期間中に3度も再発しました。ようやく退職して心配の種がひとつ減ったのに、社長からすると「またか」です。
社長の気持ちもわかりますが、今回ばかりは自分の部下として、どうしても採用してほしいのです。
最後の説得には、「最終的には、夫婦揃ってわたしが面倒みますから」と言い切りました。言い切ったのには理由があります。2人くらいの給料なら、わたしが独立すれば払えることがわかっていました。だから、無謀というわけでもなかったのです。
「そこまで言うなら、とりあえず会ってみるか」
と、社長が最後には言ってくれました。あとは、本人次第です。
給料が下がっても、やりたいことができればいいか?
病気にかかって困っているとはいえ、給料が下がっても良いという人は初めてです。
奥さんは「わたしも働いているので、収入より、夫の社会復帰・やりがいが最優先です」と言いました。なんと、ご主人想いの奥さんなんでしょう。
その奥さんは、今日のお昼休みに、夕飯の買い出しをしていました。「母は強し」です。
実力と信頼感があったから病気は気にならなかった
部下の力に少しでもなれればいいし、会社にとってもIT人材の採用はメリットがあることです。決してボランティアではなく、旦那さんの実力があったから、力添えができました。
力がない人は、いくらなんでも救えません。
この先、どんな縁がまっているか、誰にもわかりません。ですが、なにが起こっても、生きていく方法があります。
- 誠実であること。
- 真剣であること。
- そして、信頼されること。
旦那さんには、一度しか会っていませんが、信頼できるオーラ(?)がでていました。
病気とはいえ信頼できるオーラがでていると、なんとかしてあげたいと思うものです。
でも本音は、わたしのいる会社にIT開発を経験した人材が入社する可能性は低いです。なにせ、給料が安いすからね(笑)
結局、転職は会社が必要とするかどうかだけ
転職は、転職する人のためではなく、会社にもメリットがなければ成功しません。彼は、IT人材が採用しにくい、わたしの会社に必要な人材だったから、社長を説得して入社してもらおうと努力しているわけです。
転職の成功の鍵は、「あなたが相手の会社にとって何を提供できるか」です。
年収が多少さがっても、やりたい仕事につくのも転職です。「どうしてもやりたい。入社したい」という気持を、全身でアピールしてください。そのやりたいオーラが全面にでて、転職の成功確率がぐーんと上がるはずです。
IT業界には、いろんな人の夢が集まっています。
いろんな人が、いろんな場所で、自分の夢をかなえるためにがんばっています。
IT業界は、コネや才能・お金がなくても、夢をかなえることができる職業です。