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ハンガリーのことわざ「逃げるは恥だが役に立つ」をタイトルにしたドラマが話題になりましたが、日本にないことわざなので「ん?どういう意味?」と思った人も、多かったのではないでしょうか?
簡単に言うと、「喧嘩をふっかけられても、勝てない相手なら、逃げてもいいじゃん!」ということなんです。
目の前にトラックが迫ってきたら、危険だから逃げますよね。そういうことです。
日本には、「逃げるが勝ち」ということわざがありますが、その意味と同じです。
逃げるが勝ちとは、無駄な戦いや愚かな争いなら、避けて逃げるほうが、結局は勝利や利益を得られるということ。(出典:故事ことわざ辞典)
仕事も同じで、疲れたら人からなんと言われようが思われようが、おかしくなる前に休めばいいんです。
無理して仕事をしても、ろくなことにはなりません。他の人に迷惑をかけて、立場がよけいに悪くなるなら、逃げてしまったほうが随分ましです。
【実話】おねがいだから、帰って休んでくれよ!
年末から忙しく、わたしの会社のメンバーひとりがダウンしてしまいました。精神的にまいったようで、突然会社にこなくなり、既に2ヶ月をこえました。突然だったので、引継ぎもなにもなしなんです。
本人が早期の復職を希望していたこともあり、補充なしで作業分担していたのですが、なかなか復職できないことでサポートしていたメンバーもダウン・・。えらいことになってます。
最初にダウンしたメンバーは、以前も同じことがあったので周りの人も注意していて「無理しないで、帰っていいよ」と言っていたそうです。
ところが、仕事が終わらないせいか、いつも遅くまで仕事をしていて土日も出社していたようです。自分の体調も考えず・・。
責任感の強い人ほどおかしくなる理由
突然ダウンしたため、わたしがフォローに入ったのですが、とにかく未処理伝票のやま・ヤマ・やま・・・・。
「こりゃ終わらんわ・・」
さて、どこから手をつけたものか、お客様にどう説明しようか。
責任感が強い彼は、積みあがる伝票のヤマをみて「自分じゃできない。終わらない」と思って、おかしくなってしまったんでしょう。
まさに「逃げた」わけです。おかしくなってから・・・ですが。
もっと早く、おかしくなる前に逃げてくれれば、引継ぎもできたと思いませんか?
「逃げるは恥だが役に立つ」のに、恥をかきたくなくてギリギリまで頑張っちゃたんですね。
バカじゃん!
本当の責任感とは?
ちなみに彼は47歳で、役職は「課長」です。「ぼくは倒れるまで頑張りました。でも終わりませんでした。ぼくが倒れたのは会社の責任です」
倒れた日、奥さんから「どんな仕事をさせてるの?」と、クレームの電話があったそうです。
あなたは、おかしくなるまで頑張って、土日出勤までして終わらず仕事を残してダウンした彼(課長)に「責任感」があったと思いますか?
残された仕事を終わらせる方法
わたしは54歳・主任で、立場上は彼の部下ということになっていますが、おかしくなった彼から引継ぎはできません。残された伝票類の調査と対応を考えました。
1.彼の机の中、棚の中などから未処理資料を集める。
2.遅延している事実をお客様に連絡する。
3.伝票の優先順位を決め、順番に処理していく。
4.伝票入力者など、応援してくれる人材(1人)を集める。
これらの対応で、約2週間で伝票のやま・ヤマ・やまは、なくなりました。
かかった時間は、日々2時間程度の残業と土曜出勤2回のみ。応援してもらったパート1名には、毎日2時間程度の伝票入力してもらっただけ。
逃げるほどの仕事量だということで、かなり覚悟してフォローに入ったのですが、意外と少なくて肩透かしを食らってしまいました。
責任感とは仕事を終わらせること
勝ってなんぼのプロスポーツの世界は、勝たないと賞金がもらえません。頑張っても勝たないとお金が入ってこないのです。
サラリーマンの責任も同じで、与えられた仕事を終わらせて給料がもらえるんです。頑張っても倒れても、仕事が終わらないと会社にお金が入ってこないので、会社はあなたに給料が払えません。
「仕事が多すぎる」「ブラック企業だ」という前に、なぜ仕事が終わらないのか考えるのも仕事です。
サラリーマンの責任感とは「与えられた仕事を終わらせること」、仕事が終わらない場合は「どうすれば終わるかを考えて実行すること」です。
計画上手は仕事上手!
残った仕事を終わらせてみてわかったんですが、無計画で行き当たりばったりで仕事をしていたとわかりました。
お客から電話がかかってきたら、電話優先。
割込み作業が入ったら、割込み作業優先。
定型業務は、就業時間終了後に落ち着いたら着手する。定例業務が少ないといいのですが、予想以上に多いと「今日は疲れたからここまで」と、翌日まわしにしていた結果まわらなくって、伝票のヤマに埋もれてしまったのです。
行き当たりばったりで仕事ができる量ならいいのでしょうが、ちょっと歯車が狂うと追いつかなっていたのです。彼がいなくなったことで、1日の作業計画を立て直したことで、今では16時には定型業務が終了するようになりました。
いつ出社できるかの連絡が、本人からまだ入っていません。ですが、2ヶ月休んだ彼が戻る場所は、ありません。。。
サラリーマンで消耗してもメリットがない
あなたがいないくなると会社が困る?
大きな勘違いですよ。
会社といものは、従業員ひとりがいなくなっても全然平気なんです。
どれだけ会社に貢献しても、身体を壊したら一瞬で席がなくなります。
どれだけ会社に人生を預けても、60歳になったら定年と言う名の「クビ」がまっています。
サラリーマン人生に一生かけても「人生消耗する」だけです。サラリーマンの安定というメリットは、60歳の定年までの限定メリットなのです。
まとめ 転職するのは恥だが役に立つ
「仕事が忙しすぎる」とか、「やりたい仕事じゃなかった」「上司が嫌い」とか、転職したいと思う理由はそれぞれですが、後ろめたさを感じる必要はありません。
だって、会社は60歳になると定年といって「クビ」にするんですから。。最近は65歳まで働けるように法整備されましたが、扱いはパートと同じ場合が多く収入が3分の1になったという人も多くいます。
職場から逃げるような理由で転職するのは恥だと感じることもあるかもしれませんが、恥じる必要はなにもないです。
あなたの人生はあなただけのものなんですから、ストレスを感じて転職したいと感じたら、おかしくなる前に逃げましょう。
目の前にトラックが迫ってきたら、身の危険を感じて逃げるのがあたりまえです。
ストレスを感じている職場なら、職場を逃げだして転職活動するのも、自分の身を守る方法ですよ。