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ITエンジニアは技術だけ覚えればいい?
いえいえ、サラリーマンなら定年後は自分でお仕事みつける必要があります。ましてや、独立してフリーランスや会社経営者になるつもりなら営業力がないと仕事にありつけません。なので、ITエンジニアでもお金を稼ぐ技術、提案・営業技術を学ぶ必要があるんです。
萌えるSE残酷物語「なれる!SE」第3巻は、受注活動・営業活動について書かれています。サブタイトルは「失敗しない?提案活動」です。
ITエンジニアの営業活動
物販だと目の前にある商品を販売するのでわかりやすいのですが、形のないIT系の営業はとても難しいです。
日経コンピュータの人気記事「動かないコンピュータ」シリーズは有名ですが、記事連載になるほど”使い物にならなかったシステム”が多いということです。
提案依頼書(RFP)ってなに?
動かないコンピューの主な原因は、コミュニケーション・意思疎通がうまくいかなかった場合が多いようです。
できあがったシステムを導入し動かして始めると、
というパターンで、「言った言わない」の繰り返し。結局は、作り直しになることが多くありました。
それもこれも、細かいことは口約束で、書類に残していなかったからです。今なら議事録書かないなんてありえないですが、むかしは口約束が横行していたんですね。
これでは、顧客も開発社も疲弊してしまう。ということで、最初に提案依頼書(RFP)を作れば、誤解のないシステムができるはずと考えられました。
癒着を嫌う顧客担当者
仕事は結局、人と人とのつながりで回っていると実感しています。それは、信頼関係によるもので、癒着とは全く別ものです。
接待や贈り物・金銭の授受による不正受注は、絶対にしてはなりません。
小説の主人公「桜坂工兵」が顧客提案をすることになりましたが、これは社長の六本松が過剰接待をしたことで、現場責任者から出入禁止を言い渡されたからだったです。
本来であれば、ルール違反による「取引停止」で提案もできないはずですが、そこはそれ・・。小説ですから。
ぼくらは大企業より有利かも?
大企業といえば、顧客側も安心して仕事を任せます。たくさん案件があれば、仕入れ価格も当然安くなるので、顧客に提供する価格も安くなるのです。
顧客は大企業に任せて安心しているかもしれませんが、結局は下請け企業や派遣社員などに、仕事を流しているだけなのです。
この事実を知った頭の良い顧客は、大企業を経由した自社システムを担当していた企業や、信頼できるフリーランスに直接発注することも増えてきました。
大企業の仕事の実態・正体が、いまやバレバレです。中小ベンチャーやフリーランスでも直接契約できる顧客が増えてきました。
ガチで大企業と戦える時代になってきました。提案力・営業力さえあれば、大企業より小くても有利に戦える時代なのです。
はげたか営業にだけはなるんじゅない!
どんな業種の仕事でも、今はコンピュータがないと業務が回らない時代です。その弱みにつけこんで、システムを人質にしてはげたかになるITベンダーがあります。
小説に書かれているはげたかベンダー
情報弱者を食い物にする会社のことが小説に書かれています。
最初は「あなたの会社とわたしどもはパートナーです。いっしょに成長していきましょう」なんて、調子のいいことを言って顧客のシステムを開発しました。
信頼した顧客は、そのITベンダーに全てのシステムを任せた結果、社内システムがどうなっているのか、どういうシステムで動いているのか知っている人がいなくなったのです。
すると、ITベンダーは保守料の値上げを要求してきたのです。「保守料の値上げに応じないと、撤退します」と脅しをかけて。顧客は、他のITベンダーにシステム開発を依頼してはみたものの、どんなシステムなのかを理解している人間がいないので説明できません。
どこの会社も受けてくれなくなった結果、はげたかベンダーの言い値に応じるしかなく、年々値上げされる高価な保守料を払い続けることになっている。
「小説だから大げさに書いているんでしょ!?」と思ったあなた、
この小説に書かれているはげたかベンダーは、本当にいるんです。
体験!はげたかベンダー
わたしもはげたかベンダーの噂は聞いていましたが、実際に存在するとは思っていませんでした。今の会社で体験するまでは・・。
わたしが担当している会社はシステム化が遅れて、5年前にようやく自社システムを導入しました。社内にはシステムがわかる人材がおらず、紹介されたITベンダーにシステム開発を依頼したそうです。
「小さな会社だけど、○○という会社のシステム開発も担当していて、安くていいものできるから」
と言われて紹介されたそうです。
1年後、わずか1000件の商品在庫の問い合わせができなくなっていました。メニューのボタンを押しても何も表示されず、待っていたら5分後真っ白なエラー画面が表示されました。
業務に支障をきたしていたので、ITベンダーの社長に解決策を相談しにいったのですが・・
想定以上のデータ? 見積もり? お金払えばなんとかなるの?
EXCELでも処理できる、わずか1000件の商品在庫がみれなくて、今とっても困ってるんですけど・・・。
結局、金かよ!
はげたかベンダーの末路
どれだけ交渉してもシステムに関する資料がでてこなかったので、提供されている情報で社内調査を進めたところ、原因をつきとめました。
原因は、データベース設計が素人設計だったこと。多分、予算が少なかったので新人にでも任せたんじゃないでしょうか。
わたし、システム開発のプロですよ、なめんなよ!
しばらくして見積書が送られてきました。
システム改造費 50万円
チーン! 終了!
あんたとこには、もう頼まんわ!
結論:営業力とはなにか?
誠心誠意対応してくれていれば、たとえシステム改造費の見積もり金額がたとえ「100万」でも信頼して発注していました。
過去ITベンダーに勤め、ユーザー企業のシステム担当者になったわたしには、両方の立場がわかります。システム開発の難しさや経営状態が苦しいのも十分理解しています。一歩まちがえると、わたしもはげたかベンダーの社長になっていたかもしれません。
ですが、お金を払うユーザー側の人間になると、その提案が「お金を払う価値があるか」を判断します。
発注するかどうかの最終的な判断は、「信頼できるかどうか」なのです。
「他社に比べて多少高いけど、あなたにお願いすれば大丈夫!」
営業力とは、「相手に信頼してもらえるかどうか」 だということが、ユーザーの立場になってみるとよく分かります。
今、あなたがサラリーマンで独立を考えているITエンジニアなら、
顧客から信頼される力
を身につけておきましょう。
顧客から信頼されるには、
- 正直で、
- 嘘をつかずに、
- 最後まで責任をもつ。
それだけのことです。簡単ですよね(笑)
IT業界には、いろんな人の夢が集まっています。
いろんな人が、いろんな場所で、自分の夢をかなえるためにがんばっています。
IT業界は、コネや才能・お金がなくても、夢をかなえることができる職業です。