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社会人1年生が部長代理になる? そんなこと現実にはありえない!と思っていませんか?
そんな非現実的なことが、買収が活発なIT業界では現実におきることもあるのです。20代前半の管理職なんてベンチャーには、ゴロゴロしてます(笑)
「なれる!SE」第11巻は、新入社員が管理職になるはなし。サブタイトルは「絶対?管理職宣言」です。
ストーリー 新入社員が管理職!?
主人公桜坂工兵の会社が、小さな会社を買収し子会社したところから始まります。その会社の申請書類の承認を「めくら印でかまわないから」と言われた、副部長に任命されたのが運のつき・・。
赤字を垂れ流し、存亡の危機が危うくなった子会社を助けるべく、入社1年目の新入社員が大活躍するというストーリーです。
IT業界は企業買収が日常茶飯事
IT業界では小さな会社の買収は日常茶飯事に行われています。この小説を読んでいて、わたしも当時のことを思い出しました。
わたしの場合は、会社ではなくアプリを開発したグループでしたが、アプリとアプリ開発メンバーどもども、2度も売られました。
買収を仕掛けた人物は、自分の出世と収入を得るためだけに、われわれのグループを売る算段を影でしていたのです。
小説の中でも、主人公に最後にぎゃふんといわされる悪役がいたのですが、なんだか自分の体験が小説になったような、不思議な気持になりました。
この買収ストーリーは、作家 夏海公司氏 の体験なら、わたしが体験したのと同じようなことは日常茶飯事で、普通におきていることなんでしょうね。
買収された側の社員の気持ちがわかりますか?
2度も買収された経験をもつわたしは、買収された側の社員の気持ちがよく分かります。不安で不安でたまらないのです。
その不安を解消するのは、買収側の会社の人柄でしかありません。「がんばってね!」では、人の心は開きません。
こんな発言が小説の中であります。
知らないところで会社がどんどん売られていくんです。社名が変わって方針も変わって、挙句に最後は潰されちゃうなんて・・・あんまりじゃないですか。私達、なにか悪いことしましたか?
わたしたちは懸命にアプリを開発し、導入してくれたユーザーをサポートしていただけなのです。なのに・・・なんで・・・?
悪役は滅びるものです
自分のことしか巻がなかった買収劇を仕掛けた悪役は、ギャフンとやられてしまいました。
わたしも自らの手で、悪夢の連鎖を断ち切りました。
わたしたちに悪夢をもたらせた買収劇の人物は、ふたりとも出世競争に敗れ、いまでは行方不明です。悪夢の連鎖に巻き込んだ最初の会社は、会社更生法を適用し倒産してしまいました。
大きな声で言います!
最後は必ず 正義が勝つ のです(笑)
買収された子会社の社員が幸せになるには?
その会社の人材とか、アプリとかノウハウとか、メリットがあるからを会社は会社を買収するわけです。でも、買収された会社にも社員がいて、プライドをもって仕事をしているのです。
「買収した側だから偉い」とか、「潰れそうな会社を救ってあげた」と考えて接していると、絶対心は開きません。買収が大失敗で終わってしまうことでしょう。
わたしたちが幸せだったのは、最後に買収してくれた会社の社員が、われわれを認めてくたからです。
組織文化の違いでぶつかる事があっても、同じ目線で議論して手を動かすことで、信頼が生まれてきます。
同じ目線で仕事ができたことで、買収した側、された側という区別はなくなり、同じ会社のメンバーとして一体感が生まれました。
わたしがその会社を離れて10年以上たちましたが、いまだに情報交換しあうという関係が続いています。
買収したほうも、されたほうも、同じ技術者同士です。いがみあうのではなく、
信頼関係が築けるか?
それこそが、買収された子会社の社員だけでなく、みんなが幸せになる唯一の方法なのです。
IT業界には、いろんな人の夢が集まっています。
いろんな人が、いろんな場所で、自分の夢をかなえるためにがんばっています。
IT業界は、コネや才能・お金がなくても、夢をかなえることができる職業です。