現場にでよう!現場がわかればSEは成長できる。書評:なれる!SE(5)

有名な映画に「事件は現場でおきているんだ!」と言うセリフがありますが、IT業界でも同じことです。アプリが動いているのはサーバーですが、システムを利用しているのはユーザーです。

システムは現場で動いているんだ!

「なれる!SE」第5巻は、現実社会・作業現場で活躍するカスタマーエンジニア(CE)の話です。サブタイトルは「ステップ・バイ・ステップ? カスタマーエンジニア」

新入社員なのに、ひょんなことからプロジェクトマネージャーになった本小説の主人公桜坂工兵。「なれる!SE」第4巻。今回のサブタイトルは「だれでもで...

クラウドでユーザーの顔が見えなくなった?

アプリを利用しているユーザーは現実社会で利用しているのですが、今のアプリは、インターネット上のサーバーにアップロードするだけで動いてしまいます。

クラウド上にアプリを公開してすぐに利用してもらえるのはいいのですが、開発者としては、ユーザーの反応が全く見えなくなりました。ユーザーが喜んでいるのか、怒っているのか・・まったくわかりません。

ITエンジニアの楽しみは、ユーザーの喜ぶ姿を見ることなのに・・・。

現場で作業するエンジニア CE(カスタマーエンジニア)

カスタマエンジニア(CE)は、コンピュータ本体やネットワーク機器など、主にハードウェアの設置・調整を行うエンジニアのことです。

ハードウェアの設置はソフトウェアと違い、現場でないと作業できませんので、CEは現場に出向くことが多いので、フィールドエンジニアともよばれます。

現場で、「コンピュータが動かない。仕事ができない」などの、小言を言われることも多く、ハードウェアの知識だけでなくコミュニケーション能力も求められる職種です。

ソフト開発を担当する、SE(システムエンジニア)も現場作業を経験すると、ユーザー・利用者の気持ちがわかります。開発するシステムに、人間らしさが現れていいシステムがつくれます。SEとしても、スキルアップができるのです。

現場作業の苦しさと楽しさ

2011年の東日本大震災の前まで外部サーバーにデータを預けるクラウドは、セキュリティが危ないと避けられていました。なので、わたしたちSEもアプリケーションのセットアップやメンテナンスなど、定期的に現場を訪問する機会が多くありました。

よくも悪くも、ユーザーの顔を見ながら作業ができていたのです。

ユーザーに本気で怒られたけど・・

プレリリースが近づいてくると、胃がシクシク痛むことが多くなります。開発したアプリが正しく動くか、トラブルにならないかというプレッシャーからです。

何度経験しても、リリース前のプレッシャーからは逃れることができません。過去のリリース日当日に発生したシステム障害の記憶が、トラウマになり消し去ることができません。

その時、上司がユーザーにメチャ叱られてるのを横目に、2週間徹夜で復旧作業を行いました。

このトラブルは、いまでもトラウマとして残っています。

ユーザーの喜ぶ顔をみると嬉しくなった

その数年後、ユーザーの担当者から「あの時メチャ叱って、ごめんなさい」と、謝ってもらえて救われました。

ユーザーの本番データを消去するという、とんでもないトラブルだったにも関わらず、ユーザーはわたしたちをパートナーとして認めてくれました。

わたしたちのシステムを導入した結果、作業の効率化・利益の向上みられたんです。

ユーザーと食事に行くと「あのトラブルひどかったよね」と、笑って話せる間柄になれました。最後はいつも、「あなたたちと仕事できてうれしい」と言ってくれるんです。

そんなユーザーの顔を見ていると「苦労したけど、やり切ってよかった」と嬉しくなるんです。

現場は楽しい

不具合がないシステム、なんてありません。トラブルが怒った時に「どう対応するか」、それがSEの「腕の見せどころ」です。

最近、リリース初日に「トラブル発生した~」って周りが騒いでいても、全く動じないようになりました。

SEの究極は「ユーザーが気づかないうちにトラブルを解決すること」だと思っています。ユーザーが気がつかなければ、トラブルではないですからね(笑)

システムは現場で動いている!

某映画の名言ではないですが、システムは現場で動いています。使っているのは現場の人たちです。

サーバーになんらかの不具合が発生すると、現場作業に影響がでます。システムを導入した結果、喜び・悲しみ・怒りは、現場で起きているのです。

SEなら現場を知ろう

いまやクラウドが広まって、SEが現場を訪れることは少なくなりました。リモートですべてのことが完結。打ち合わせ、連絡事項もやりとりもメールで完結し、顧客と顔をあわすこともホントに少なくなりました。

でもですよ、使っている人の顔を知らないで、正直な意見・改善案がわかるんでしょうか?

現場を知らずに、良いシステムが作れるはずはありません。SEなら現場のことを知りましょう!

緊張感漂う現場

以前の記事にも書きましたが、テストとはいえ現場は、とても緊張する場所です。

パソコンで家を建てるって、アプリ開発で稼いで家を建てたという話ではありません。実物の家を建てるシステムの話です。 大ヒット映画「きみの名は...
本番時は、自分の開発したアプリが動きはじめるという期待感と、正常に動作するかという不安感が入り交じった、緊張感が漂います。

この緊張感がが刺激になるんです。SEは、ある意味クリエータだと思っています。緊張があれば、刺激をうけて良い作品ができるのです。

システムは現場で動いている

だれがなんと言っても、システムは現場で動いていて、そこには利用者・ユーザーがいます。

あなたの作ったアプリは、小さな会社でも数人は利用していますし、大きなサービスだと、同時に数百人・数千人が利用しているのです。

システムは、人の作業を減らすものです。なので、良いシステムを導入すると、人は仕事が楽になります。

ユーザーの仕事楽になり時間ができると、プライベートが充実します。システムを利用してくれたユーザーが幸せになってもらうと、作ったエンジニアも幸せになります

現場っておもしろいいよ!

机に座って、パソコンでシステム設計・開発というのは、SEという仕事の一部でしかありません。

SEの醍醐味は、現場に行ってユーザーと話をしながら、会社従業員の風土・風習を感じ取り、その人たちが使いやすいシステムを構築することです。

会社や組織によって、使いやすさは違ってくるので、A社の手法がB社で通じるとは限りません。そこをうまく調整するのが、SEの役割です。同じようなシステムでも、使う人によって変えてあげることが正しいのです。

違いを理解するには、現場にでて話を聞くしかないんです。

ITエンジニアは、コンピュータとばかり会話しがちですが、コンピュータと会話するより、人と話をするほうが楽しいですよ。

クラウドで全部できる今だけど、あえて現場にでかけて 人と仕事をしましょうよ

初対面の方にITの仕事をしてると説明するとよく、「今度教えてね」とか「困ったら頼むわ」とか言われます。いつも笑顔で対応するのですが、心中は「おい...

現場でシステム開発しませんか?

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