サイドビジネスのメリット。副業が本業に?書評:なれる!SE(6)

初対面の方にITの仕事をしてると説明するとよく、「今度教えてね」とか「困ったら頼むわ」とか言われます。いつも笑顔で対応するのですが、心中は「おいおい、気安く頼むんじゃねぇよ。わたしの時給知ってて言ってる?」って思います。

IT業界のことがよくわかる小説「なれる!SE」第6巻は、大学の同級生からサイドビジネスをもちかけられ騙されたお話しです。サブタイトは「楽々実践?サイドビジネス」です。

有名な映画に「事件は現場でおきているんだ!」と言うセリフがありますが、IT業界でも同じことです。アプリが動いているのはサーバーですが、システムを...

騙された工兵。サイドビジネスの甘いささやき

小説の主人公 桜坂工兵は、同窓会でゼミのアイドルだった西新伊織に出会います。伊織から会社の無線LAN構築を個人的に依頼できないかと相談され、アルバイト感覚で受けてしまいます。

無線LANの構築は無事完了したのですが、どういうわけかその会社から「家から持ち込んだPCが繋がらない」とか「無線LAN繋がらない場所がある」とか、あげくは「プロジェクタが映らない」とか、昼夜かまわず24時間365日サポート依頼の電話がかかってくることに・・。

どうやら、伊織は無線LANの構築だけでなく「PCサポート全般を担当してくれる」と説明していたらしいのです。工兵はゼミのアイドル伊織に騙されてしまったわけで・・。

サイドビジネスの始め方

サイドビジネス、副業を始めるきっかけは人それぞれですが、IT系の仕事をしているといろいろなところから声がかかることがあります。

会社に頼むより個人に頼む方が安くすむことが多いので、頼む側としても価格面のメリットがあるようです。

わたしも何度かプログラムの仕事を依頼されて、お小遣いを稼いだこどがあります。

友人から

友人から「ネットショップで自社製品つくるから、ホームページと受注システム作ってくんない」と頼まれたことがあります。友人なので、あまり高い値段もいえず、「時給1000円でどう?」と言われてOKしてしまいました。
まぁ、作業自体は簡単なので、友人の家に遊びに行く感覚だったのでいいのですが、週1回5~6時間で月2~3万円程度。2ヶ月くらいで完成したので5万円程度の収入でした。

友人なので仕事が終わったら飲みに行くのですが、わたしが飲食費をだしていたので、結局赤字になってしまいましたが・・。

企業から

ユーザー担当者が独立するということで、販売システムを選んで欲しいという仕事をもらいました。会社の規模にあった市販のソフトウェア選んで、簡単なカスタマイズをする作業です。

市販のソフトウェアとはいえ、インストールから会社情報の登録などの初期設定、見積書・請求書のカスタマイズと面倒な設定をしなければならないのです。

ソフトハードの購入費用すべて含めて20万円くらいだったのですが、結局利益は4~5万円程度。時給換算すると1000円程度でした。

妻の知人から

妻の知人から、EXCELマクロ作成の仕事を依頼されたことがあります。EXCELで作るにはちょっとムリっぽい仕様だったのですが、有名な企業の仕事だったので、今後のこと考えて受けてみました。

帰宅後に作業するので、深夜・土日の作業で2週間ほどかかったのですが、なんどか手直しが入り1ヶ月かかって完了しました。

請求金額はわずか2万円。時給換算すると200円程度なのですが、その2万円も回収できませんでした。

妻から何度も請求しましたが、「ユーザーからの入金がまだない」という説明で、そのうち知人に連絡がつかなくなり回収できなかったのです。

結局、ただ働きでした。信用してプログラムにパスワードも書けていなかったので、プログラムの回収もできず、泣き寝入り・・

ビジネス意識は絶対必要!

過去に何度か本業以外の仕事をもらいましたが、「本業があるのでお小遣い程度でいいや」と、アルバイト感覚でやってました。

なので、見積もりも甘くなり、アルバイト以下の金額で作業することになったのです。

自分が納得したとはいえ、時給200円とかありえないですよね!しかも、その時給200円も貰えなかったわけです。

仕事をして対価をもらうわけですから、作業に見合う金額か、信用できる注文主か。など、受注前の事前準備は必要なわけです。

でないと、小説の主人公のように「無線LANの構築だけのはずが、いつの間にか、社内永久サポートを任されていた」ことになりかねません。

作業範囲を明確にし作業費を見積もり、契約書を交わしておきましょう。個人で仕事を受ける際、守ってくれるのは契約書しかありません。自分の身は自分で守るしかないのです。

サイドビジネスとはいえ、ビジネス意識は必要なのです。

サイドビジネスのメリット。副業が本業になる。

サイドビジネスを始めるきっかけは人それぞれですが、本業とは別に仕事をするわけで、自由時間がなくなります。なので好きでないと続かないわけです。

SEならIT関係の仕事、デザイナーなら絵を描く仕事、ライターなら文章を書く仕事などが得意なので、本業の余暇を使ってサイドビジネスを始めることができます。

けれどサイドビジネスをするのなら、好きなことをやってみるのが良いんじゃないかな?

知人のお兄さんは、ブリキのおもちゃが大好きで、地方で講演もしていたそうです。退職後は時間ができたこともあり、サラリーマン時代以上に自由がきくので、あちこちで声がかかるようになり、サラリーマン時代以上に稼いでいるようです。

趣味を極めると仕事になるということですね。大好きだから、興味があるから知識を広げ、プロ顔負けの仕事ができるようになったんでしょうね。

本業でお小遣い稼ぎをするのもいいですが、好きなことでサイドビジネス始めるのもいいですよ。はじめてすぐはお金にならないかもしれませんが、続けていくと本業以上のビジネスになる可能性があるのです。

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